【ヤミ金と法律についての知識】被害にあわないために

更新日: 2025-07-04

ヤミ金という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。

テレビドラマや映画の題材としても登場することがあり

怖いイメージを持たれているのが一般的です。

しかしどのような仕組みでヤミ金が動いているのか

どのような法律により取り締まられているか

理解している人は少ないかもしれません。

この記事ではヤミ金の特徴や手口

被害にあった場合の対応策

そして関連する法律の基礎知識について

詳しく解説します。

ヤミ金とは何か?

ヤミ金とは正規の貸金業者として貸金業登録せず

違法な高金利で貸し付けする業者のことを指します。

正式には無登録貸金業者または

非合法貸金業者といいます。

日本で貸金業を営むには貸金業法に基づき

金融庁または都道府県への届け出と登録が必要です。

そのうえで利息制限法により貸し付けする際の金利には

上限が設けられています。

たとえば10万円未満の貸し付けは年利20%まで

100万円未満の貸し付けは年利18%まで

100万円以上の貸し付けは年利15%まで

と定められているのです。

しかしヤミ金はこれらのルールを守らずに

年利1000%以上といった超高金利で

貸し付けするケースが多数確認されています。

当然超高金利での貸し付けを受けると

より困窮することにつながり

返済が遅れれば悪質な取り立てや脅迫

いやがらせのリスクを伴うため危険です。

無登録貸金業者の特徴

無登録貸金業者には以下のような特徴があります。

  • 無登録
  • 高金利
  • 悪質な取り立て
  • 広告(集客内容)の違法性
  • ヤミ金の主な手口

    ヤミ金はあらゆる手を使ってターゲットを見つけ出し

    違法な貸し付けをします。

    代表的な手口は以下の通りです。

    ・SNSやネット広告
    「ブラックOK」「即日融資」などの謳い文句で
    困っている人を誘導します。
    正規の金融機関から借り入れできない人を狙い
    宣伝しているのです。

    ・携帯電話や銀行口座の買い取り(貸し出し)
    融資とは名ばかりで審査のためなどと言い
    携帯電話や銀行口座をだまし取る
    悪質な業者もいます。
    こうしてだまし取られたものは犯罪に利用され
    最悪の場合契約者自身が犯罪に関与したとみなされ
    逮捕されてしまう危険性があります。

    ・先払い買取(後払い)や個人融資
    一見正規の買い取り業者のように思える先払い買取や
    個人間融資を装って近づいてくるヤミ金も増えているため
    注意が必要です。
    表面的には親切に見えても実態はヤミ金ですので
    法外な利息や個人情報の悪用など
    悪質行為によるリスクを伴います。

    ヤミ金の違法性について

    日本では以下の法律を遵守していなければ

    明確に違法とされています。

    1.貸金業法
    貸金業を営むためには必ず登録が必要です。
    無登録で貸し付けすると無登録営業として
    刑事罰の対象となります。
    貸金業登録している正規の貸金業者でも
    違法な金利で貸し付けすると罰則の対象です。

    2.利息制限法
    貸し付けする際の金利には
    上限が定められています。
    この上限を超えた利息での貸し付けは
    法律上無効とされ
    場合によっては過払い金として請求可能です。

    3.出資法
    利息制限法に違反する悪質な高金利に対しては
    刑事罰が科されます。
    (5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその併科)
    参考元:兵庫県弁護士会

    4.暴力団排除条例
    多くのヤミ金は暴力団や
    反社会勢力と関係しているため
    暴力団排除条例の違反対象です。
    取り立ての内容に暴力的な手段が含まれていれば
    恐喝罪や強要罪などにも該当します。

    ヤミ金被害にあってしまったら

    ヤミ金業者とトラブルになってしまった際

    自力で対処しようとするのは非常に危険です。

    以下のような対応を取りましょう。

    ・返済しない
    違法な高金利での貸し付けは法律上無効とされており
    支払い義務はありません。
    返済を続けることでより困窮してしまうだけでなく
    さらに被害を拡大させてしまうことがあります。

    ・専門家に相談する
    弁護士や司法書士といった借金問題に詳しい専門に
    早急に相談しましょう。
    トラブルの相手に対し介入実績のある事務所への相談が
    解決に向けてより効果的です。
    専門家を介入させることにより
    督促や取り立て行為を直ちに止められることがあります。

    ・警察への相談
    暴力的な取り立てや脅迫を受けた場合
    警察へ相談するのも一つの手です。
    その際やり取りのスクリーンショットや録音など
    物的証拠があるとよりスムーズに対応してもらえます。
    ただしヤミ金の中でも悪質な業者の場合
    相手が逆上し取り立てがさらに厳しくなる
    リスクもありますので注意してください。

    ・関係を断つ
    やり取りの過程で電話番号や銀行口座
    使用しているSNSなど個人情報が知られている場合
    番号変更やアカウントの削除などを検討しましょう。
    ヤミ金からの貸し付けによる振り込みは
    違法な手段で手に入れた口座を使用しているため
    そこからお金を受け取った口座も凍結してしまう
    可能性があります。

    予防がもっとも重要

    ヤミ金被害にあわないためには
    「お金に困ったときに焦って行動しないこと」
    また「冷静に判断すること」が重要であり
    最大の防衛策です。
    どうしても資金調達が必要なときは
    以下の点を意識して行動しましょう。

    インターネット上の無登録業者は絶対に利用しない

    ・金融庁の登録貸金業者検索システムで
     正規の業者かどうか確認する

    ・自分が自治体の支援制度や貸付制度の対象かどうか確認する

    ・法テラスのような専門家の無料法律相談を活用する

    ・家族や友人など身近な人へ早めに相談する
     孤立しないことが大切です

    まとめ

    ヤミ金は違法かつ様々な手法で多くの人々を苦しめています。

    そのためヤミ金の実態を正しく理解することで対策し

    被害を未然に防ぐことが重要です。

    もし自分や身近な人が関わっていたり

    被害にあってしまったりした場合は早急に専門家へ相談し

    アドバイスを受けて対応しましょう。

    ヤミ金問題は一人で抱え込まず身近な人や専門家を頼り

    適切な対応をとることが重要です。

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